お役立ち情報
薬剤師の役割を考える
01患者から支持されるかかりつけ薬剤師になるために
厚生労働省が『患者のための薬局ビジョン』を掲げたことにより、今後は特に「かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師」が重要視されるようになってきます。
患者はかかりつけ薬剤師を指名することで、薬の服用情報を一元的に管理してもらうことになります。患者は薬の専門家による重複投与や飲み合わせなどのチェックを受けられることになり、今後はより安全に薬を服用できることになるのです。
一方で、かかりつけ薬剤師を指名すると『かかりつけ薬剤師指導料』が加算されることになるため、患者の金銭的負担は増えてしまいます。
「料金が高くなるならかかりつけ薬剤師はいりません」という患者も少なくないでしょう。
そこで、世間にもっとかかりつけ薬剤師を普及させ、かかりつけ薬剤師がいかに患者本位の存在であるかを浸透させていく必要があります。
ここでは患者のニーズに応えられる『かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師のあり方』と、『薬剤師が活躍できるかかりつけ薬局のあり方』について考えていきましょう。
- 目次
- 【1】かかりつけ薬剤師の費用対効果
- 【2】かかりつけ薬剤師のパフォーマンスに影響する職場環境とは
- 【1】かかりつけ薬剤師の費用対効果
- 専門家に相談することで得をすることは沢山あります。例えば携帯電話を買うときに、「最新機種はどれか」「充電が長持ちするのはどれか」「写真が綺麗に撮れるのはどれか」などを店員に質問したことがある人も多いと思います。それは求める情報に詳しい専門家を頼ることで、早急かつ的確に自分の理想に近いものを得ることができるからです。
薬剤師は薬の専門家です。そして、かかりつけ薬剤師は患者さま個人個人にとっての『自分専任のプロフェッショナル』なのです。いつでも薬の相談をすることができ、患者の健康を守ります。 - また、かかりつけ薬剤師になるには
・施設基準の届出時点において、保険薬剤師として3年以上の薬局勤務経験があること
・当該保険薬局に週32時間以上勤務していること
・施設基準の届出時点において、当該保険薬局に6月以上在籍していること
という条件を満たしていなくてはなりません。
つまり、経験と地域での実績がないと、かかりつけ薬剤師として認められないのです。
- 【2】かかりつけ薬剤師のパフォーマンスに影響する職場環境とは
- かかりつけ薬剤師としての職能を発揮するためには、患者から支持を受け、薬剤師としての役割を十分に発揮できる職場環境も大切です。
たとえばかかりつけ薬局の取り組みとして
・在宅医療を積極的に行っている
・関係医療機関との連携体制をきちんと構築している
・健康相談会や薬の飲み方講座などの健康イベントを実施している
・地域の運動会やイベントなどに参加している
・事前に処方せんの内容や服薬歴を確認できるアプリなどを活用する
などの取り組みを実施している薬局もあります。
かかりつけ薬局では、時間外の対応や高度薬学管理機能の充実が求められます。
「かかりつけ薬剤師」として役割を発揮していくためには、個人としての資質の向上だけでなく、所属している職場(薬局)の姿勢も重要なのです。
就職活動中に気になった薬局の、かかりつけ薬局としての取り組みを知りたいときは、見学や会社説明会に参加して質問してみましょう。
薬局で行っている具体的な取り組みや、かかりつけ薬局に対する会社の思いを知ることができるので、自分の理想にあった就職先を見つける足掛かりとなります。 - 今後2025年をめどに、すべての薬局がかかりつけ薬局になっていく計画が進められています。
時代に求められる薬剤師として活躍できるよう、今のうちから情報収集をしておくとよいでしょう。